インド旅行と聞くと、「ニューデリー」や「ムンバイ」そして「ゴア」など、有名な観光地を思い浮かべると思います。
皆さんはインドの「シッキム(sikkim)」という地名を聞いた事がありますか?実は、海外に住んでいるインド人も知らない場所です。
今回友人が、インドの「シッキム州、ガントク(Gangtok)」の出身だったこともあり、知ることが出来ましたが、とても興味深いところです。
インド人も知らないインドの奥地、シッキム州ガントクの見どころをまとめました。
目次
インドの何処にある?シッキム州ガントク
シッキム州は、インドでもよく知られるニューデリーとは反対側に位置し、「ネパール」と「ブータン」の間に挟まれ、皆さんご存知の「ヒマラヤ山脈」の近く、そして中国の隣にある地域です。
紅茶の茶葉で有名な、「ダージリン」や「アッサム」をご存知ですよね?シッキムもこの地方です。
昔はインド領土ではなく、1900年代までは1つの独立したシッキム王国だったそうです。1975年に、正式にインドになったそうです。結構、最近ですよね。
友人が地図で場所を紹介してくれました。地図を見てみると、ネパールとブータンに挟まれたインドから少し出っ張った部分がありました!ここが、シッキムです。
「こんなところにインドが?!」と、大変興味深いと思っていたら、友人がガントクの家族に会いに行くという事で、私も一緒に行かせてもらいました。
⇒初めてのインド旅行へ!行くにはまず何からする?準備と行くまでの流れまとめ
シッキム州ガントク基本情報
気候
ガントクは、山に面して連なる町なのです。夏は20℃~28℃と過ごし易く、7月、8月はモンスーン期で雷を伴うスコールが多いです。
冬は4℃~7℃で、ガントックのベスト観光シーズンは3月~5月で、9月~11月もイベントが多くおすすめです。
通貨
ルピー(Rs)
Rs1=約1.58円(2018年8月現在)
【硬貨】
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必要な物
パスポートのコピー2~4枚、パスポート用の写真2~4枚を持って行くことをおすすめします。シッキムに入域する際や、観光などでこれらの書類が必要となります。
忘れても大丈夫です。ガントクのダウンタウンでコピー・写真撮影が出来ます。
インド旅行シッキム州へ
まず、日本人である私がインドに行くにはビザが必要でした。インド旅行は以前から行きたいと思っていたのですが、行く機会がなく今回がインド旅行初めてでした。
早速、インドのビザを調べると、インド大使館で取得する方法、オンラインで取得出来る INDIAN e-VISA(インディアン イービザ)と、インドに到着してから取得出来るアライバル ビザがありました。
アライバルビザが簡単そう!と思いましたが、場合によってはビザ取得まですごく待つ場合があるという事だったので、前もって e-VISA をオンライで取得する事にしました。
ビザの料金は、アメリカ25.28ドルでオンライン申請をしてから1週間くらいでビザを取得出来ました。オンラインで個人情報を入力するのですが、質問事項がとても多かったです。
しかし、インド大使館で取得するよりはスムーズで簡単です。パスポートの提出も必要ないので、自身でビザ申請される方は e-VISA がおすすめです。インドの空港での入国審査もスムーズでした!
ニューデリーを経由し、インドのシリグリにあるバッグドグラ空港(Bagdogra)に到着したら、ガントクから友人のお父さんが4時間もかけてガントクから車で迎えに来てくれていました。
4時間?!と思いましたが、シッキム州には空港がなく一番近くの空港がバッグドグラ空港です。空港からガントクまでは、タクシーや乗り合いバスが出ていてガントクまでは、約4時間~5時間掛かります。
しかしシッキムでは、パキョン空港(Pakyong)が現在新しく建設中です。完成すれば、ガントクまでは車で約1時間とたいへん便利になるそうです。
2018年10月に、「パキョン空港」が開港されました。現在は、国内線のみ運行ですが今後は国際線の運行も予定されています。
パキョン空港へは現在のところ、インドの「コルカタ空港」アッサム州の「グワハティ空港」から運行しています。空港からガントクまでは、車で約45分と大変便利になりました。
ガントクまでの道中は、想像以上に驚きの連続でした!車が走る道には、牛が歩いていたり寝ていたりと道路で普通に生活をしていました。
人々もそれが当たり前のように牛に道を譲ったり、牛がいたら避けて普通に車で走っています。そして、何処を見ても「ごみの山!!」には驚きました!!
インド旅行初の衝撃でした!
▼シリグリの旅
⇒インド旅行 見るもの全てに驚き!北東インド西ベンガル州のシリグリ(Siliguri)で2泊2日を満喫
さらに、行き交う車のクラクション音が至る所で鳴り響いていて、道路もあるようでないようなものでした。というのも、2車線道路なのに3列、4列と車が並んでいて互いに追い越せ追い抜け合戦のようでした。「あ~なんて日本と大違い」と終始おどろきの連続でした。
私は友人に、「インドってこんな感じ??」と聞くと、シッキムは違うとのことでした。少しほっとしましたが、行ってみない事にはまだわかりませんでした。
バッグドグラ空港があったシリグリから車で走ること約1時間、町を抜けると山道に入りました。途中、1台しか走ることが出来ない道の横は崖でした。
そして、全く舗装されていない細い山道にどんどん入っていくので、ガントクはいったいどんな所?!と、だんだん不安になってきました。。。
まさに、日本のテレビで見たことがある「こんなところに日本人~」の世界でした!そして、対向車が来てもお互い待たないので、この険しい1本道を譲ることなく互いに突き進むため狭い道が詰まってしまい大渋滞です。
ただ少し待って譲り合えばスムーズに走れるのに。。。と思っていましたが、文化の違いですね。
シッキム州には入域許可書が必須
バッグドグラ空港から約3時間、車でくねくね山道を走ってやっとシッキムに到着したのは夜でした。こちらがシッキムとインドのボーダーで、この門を通り抜けたところからシッキムです。
今ではインドの一部なのにシッキムに入るには、「入域許可証(INNER LINE PERMIT)」をもらわなければいけません。
この入域許可証は、事前に申請が出来ます。私は、バッグドグラ空港で取得しました。
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【入域許可証に必要なもの】
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料金は無料です。必要書類を提出し、滞在日数を伝えて入域許可証がもらえます。
ボーダーで申請する場合は、こちらのアーケードの直ぐ近くに申請する事務所(Foreigners Reporting Office)があります。シッキムを出る際に受け取った入域許可証をまた、事務所に返します。
シッキムはインドですが、システムはインドと少し違うようで違う国に来た感覚でした。ボーダーからガントクまではさらに約1時間、車で走りようやく到着したのは夜中でした。
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シッキム観光の見どころ
中国の国境付近、東シッキム観光
ガントクから車で北に向かうと、中国の国境があります。その手前には、標高3,753メートルの所にあるシッキムで旅行者に大人気の観光地「ツォンゴ湖」(Tsomgo Lake)があります。
中国の国境付近なので、インドの軍隊基地があります。このエリアに入るにはたいへん厳しいルールがあり、旅行代理店を通さないと入ることが出来ません。
そして、さらにこの区域へは入域許可証の取得が必須です。ツォンゴ湖に行くには、ガントク市内にある旅行代理店で申し込みをします。申し込みには、最低2人以上の定員が必須です。
私は友人と2人で申し込みましたが、旅行代理店の方で他の2人組と同じグループ扱いで行くことになりました。車は別々でしたが、入域するまでは2台共は離れないように一緒に入域しました。
このように、入域は大変厳しくチェックされます。聞いた話では、入域規定条件に雪かき用のシャベルを車に常備しないといけないのですが、常備していなかった為入域できなかった事例があるそうです。以前、大雪で事故が遭った為らしいです。
一人旅で行かれる方は、旅行代理店で一人だという事を相談してみて下さい。他の観光客とグループで組み合わせてくれるかもしれません。
また、南シッキムや北シッキムへの観光は大変人気のツアーです。ツアーへの参加は、旅行代理店が多く取り扱っているので当日参加も可能です。
ガントクのメインエリア「Mahatma Gandhi Marg」(MG Marg)には、たくさんの旅行代理店があります。
【入域許可証の申請に必要なもの】
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申請書類に必要事項を記入し、入域にはガイド付きが必須で旅行会社からはガイド兼ドライバー付きの車をレンタルします。
日帰りの最低価格は、借りる車のグレードによって異なりますが、約3,000ルピー(約4,750円)~です。入域費用が、50ルピー(約80円)です。
東シッキムは、標高が日本の富士山よりも高いです。高山病にならない為にガントクからの上り口付近では、ポップコーンを販売しています。
シッキムでは、ポップコーンを食べると高山病要望になるそうです。信じられませんでしたが、シッキムでは当たり前だそうです。
ポップコーンを食べるように勧められましたが、ポップコーンがあまり好きではないのと、正直「まさか、そんなわけはない」と思っていました。
富士山でも高山病になった私は、やはりこちらでも高山病になりました。。。
友人と友人の家族には、ポップコーンを食べなかったから高山病になったんだと、言われました。本当のところは、どうなのかわかりませんが。(笑)
東シッキムまたは北シッキムへ行かれる方は、ポップコーンをお試し下さい!
ガントク市内からツォンゴ湖へは、車で40km山道を登っていきます。車でどんどん上に上がっていくと、素晴らしい景色が広がります!ドライバーに伝えると途中で止まってくれるので、綺麗な景色の写真を撮ることも出来ます!
ツォンゴ湖に到着すると、ヤクがたくさんいてヤクに乗って湖を散策出来ます。こちらからゴンドラが出ていて、さらに上まで行くことが出来ます。
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ガントク観光
ガントクは、標高1,780mの高台に家などが立ち並ぶ町です。1975年前までのシッキム王国時代は、シッキム語やネパール語、他にも沢山の言語を使用していたらしです。
今では、ネパール語を話す人が多いですがインドは現在、第1言語が英語なので、観光客には英語で対応してくれます。
若者が集まる人気エリア「Mahatma Gandhi Marg」
ガントク、ダウンタウンのメイン通り「Mahatma Gandhi Marg」(MG Marg)の入り口には、エリアの名前でもあるインドで有名なガンジー像があります。若者に人気があるショップが、このエリアにたくさん立ち並びます。
ショッピングを楽しむ若者や、家族連れで賑わっています。ブランド商品や、シッキムやインドの民芸品、インド食器などもあり全てが格安です!
⇒インド旅行で見つけた激安インドコスメが良すぎる!おすすめのアーユルヴェーダ、ナチュラルコスメ
ダージリン茶やアッサム茶が有名ですが、シッキムにもオリジナルのシッキム茶葉のお店があります。シッキムの人達は、このシッキム茶葉で毎朝ミルクティーを飲みます。友人のお母さんが、毎朝作ってくれてすっごく美味しかったので買いました。
茶葉を買いましたが、日本に帰るときに友人の親戚がこの同じ茶葉を6個もくれました。スーツケースは茶葉でいっぱいになりました。(笑)
⇒インド旅行シッキム ガントクで飲んだミルクティに感動!シッキム茶の作り方
ガントクのストリートフード
ガントクでは、ストリートフードがあります。ピーナッツやみじん切りの玉ねぎ、湯がいたジャガイモ、米菓子、塩、コショウ、他にもチリやスパイスを新聞紙の容器に入れた、気軽に食べることが出来るスナックです。
約25円と格安で美味しいのでおすすめですが、けっこう辛いので辛いが苦手な方は辛さ控えめにしてもらえます。
オーガニック先進国
ガントクがあるシッキム州は、オーガニックや環境保護を推奨する町で、野菜や果物はインドの他の土地から一切仕入れず、シッキムで作られた無農薬のものしか販売していません。
他にも、プラスチックの買い物バッグの使用を10年以上も前に禁止されたそうです。
だから、どこのお店もプラスチックの買い物バッグは使用せず、紙のようなバッグに入れてくれます。これには驚きました!
ガントクの道路は、日本のようにきれいに舗装さてはいないのに、環境保護や健康志向は日本よりもずいぶん進んでいます。
スーパーマーケットが無く、毎週末に開かれるマーケットで食材を買います。 そこで売られる食材は、農家の方達が毎週末に自信の農家からダウンタウンのマーケット市場まで運んで来ます。
販売されているのは、全てオーガニック食材です。
現地の人達は、新鮮な食材を毎日食べています。卵もその場でばら売りされていたり、お肉は新鮮なものをその場でカットしてくれます。卵を産むニワトリも、販売されています。
そして、薬をあまり飲まずショウガやインドスパイスで、日頃から毎日の食べ物に気をつけて予防しています。
ガントクはネパール料理
ガントクではインド料理ではなく、シッキムやネパール料理を食べます。
シッキムやネパール料理は日本食に似ていて、お米をメインに肉料理や魚の揚げ物に、日本では味噌汁を飲むように、ダルというスープをお皿に混ぜ、手で食べます。
友人曰く、手で食べたほうが美味しいそうです。(笑)私も一度挑戦してみましたが、手で食べることが難しくて、食べることに集中し過ぎて味わう事を忘れてしまいました。
他にもモモという蒸し餃子や豚まんなどもあり、どれもすごく美味しいです!インドなので、やっぱりガントクの人達も激辛を好みます!!
インド旅行で外せない寺院めぐり
インドでは、沢山の様々な宗教を進行しています。シッキムでは、主にヒンドゥー教と仏教の修道院やお寺が沢山あります。チベット修道院への、入館はパスポートの表示が必要な場合もありますので念の為パスポート持参をおすすめします。
▼「Rumtek Monastery」Rumtek, East Sikkim
▼「Enchey Monastery」Gantok, East Sikkim
▼「Sai Baba Mandir」Namchi, South Sikkim
▼「Shiv Temple」Namchi, South Sikkim
▼「Buddha Park」Ravangla, South Sikkim
まとめ
インド人も知らないインド、シッキム・ガントック観光を紹介しました。シッキムでは、インド旅行でも有名なデリーやムンバイとは全く違ったインドを楽しめます。
山の高台という不便な場所で生活をしているのに、人々の考えはポジティブで自然を大事にしていて素晴らしいと思いました。とてもきれいなところなので、インド旅行におすすめです!